1898年に12Fジョイント・スロッテッドヘッド仕様で登場した5-18。
1948年頃のソリッドヘッドへのモデルチェンジ後の個体が今回入荷したモデルです。
トップにはスプルース、サイド・バック・ネックはマホガニーで、
指板・ブリッジ・ヘッドプレートにはハカランダが使われています。
ナット幅は41mm、スケールは543mmでややVシェイプのネックは握りやすく、
弦高も6弦12F:2.5mm、1弦12F:1.8mmにセットされていますので、かなり演奏性も高いと思います。
現在ライトゲージを張っていますが、このスケールならミディアムゲージを張っても良いかもしれません。
おそらくリフレットはされているようで、現状ナットには象牙、サドルは牛骨が使われています。
ブリッジピンとエンドピンは交換されています。
また、1957年当時のわずかな期間に使用されていた薄めのべっ甲柄のピックガードやバインディングも雰囲気が感じ取れますね。
コンパクトサイズながらもしっかりとしたヴォリュームもあり、
その独特の枯れたサウンドはブルースやラグタイムなどを爪弾くと何とも言えない心地良さを感じます。
60年近く経過していながらもコンディションは非常に良いですね。
ピックガード脇にはよくあるマーチンクラックの、バックの端にもクラックの修理跡がありますが、いずれもきちっとリペアされています。
ケースにつきましてはK.Yairiのかなり近いサイズのギグケースが付属しますが、
一部に破れているところがありますので、おまけ程度にお考え下さい。
近年高騰著しいMartinヴィンテージですが、中ではまだ手の届く価格にとどまっているモデルだと思います。
憧れのMartinをぜひお手元に!